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2015年6月14日

読売オンライン連載「社会起業のレシピ」最終回:最後のご挨拶に代えて

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 2012年11月から連載させて頂いていた「社会起業のレシピ」ですが、今回で最後となります。

 NPO/ソーシャルビジネスの認知の高まりと共に、実際に社会起業をしたい、という若者達も増え始めてきており、その羅針盤となるよう実務知識をシェアしようという狙いのもと、執筆を始めました。

 その間も事業を続けてきて、僕自身も僕の経営感覚や知識を実務によって磨き続けてきたのですが、やはり経営という道は奥深く、偉そうに人様に知識を披瀝ひれきしながらも自分自身がつまずいたり転んだりしながら、ヨロヨロと前を進んで来た、というのが実情です。

【時代はソーシャルビジネスを求めている】
 しかし、時代は、執筆を始めた時よりも、ますますソーシャルビジネスを必要とするようになった、というのは確かに感じるのです。ソーシャルビジネスが生み出す、イノベーションを。

 例えば、我々が待機児童問題解決のために始めた「おうち保育園」というミニ保育園は、その後「小規模認可保育所」という名前で国策化され、2015年度からは全国の自治体で採用されました。

 また例えば、友人の川添高志くんが経営する「ケアプロ」は、利用者自らが採血することで低コストで簡易な健康診断が可能になるモデルを展開していますが、政府が公式にケアプロ方式を合法と認めたことによって、大手ドラッグストアが雪崩を打って参入し、一気にマーケットが形成されつつあります。

 このように、我々ソーシャルビジネスが砕氷船となって、分厚い氷で覆われていた海に小さな航路を切り開き、そこに大手企業や国などのタンカーが通っていくというイノベーションのパターンが散見されるようになりました。

【新たな社会課題に即座に反応していく存在】
 これは、成熟経済+人口減少という環境変化に苦しむ我が国にとっては極めて重要です。ジュラ紀を生き延びたのは大きく力強かった恐竜ではなく、小さく小回りがきき、環境に即座に適応した我々の祖先のネズミ達でした。

 社会環境が変わり、新たな社会課題が出てきたところで、即座に反応し、新たなモデルケースを提起し、そしてそれが制度や市場を生み出すことにつながる。結果として日本社会全体としては「適応」していく、というループ。

 このループを如何いかに早く、如何に広範に回していけるか、が問われています。

 そして、そのループの鍵を握るのが、NPO/ソーシャルビジネスです。

 拙稿が、これからその一端を担おうというソーシャルスタートアップの皆さんの役に少しでも立てたなら、本望です。

 なお、拙稿はとりまとめ、また大幅に追加執筆をし、本として出版していきたいと思っています。まだ新たな領域であるからこそ、ノウハウは圧倒的に足りていません。この本がその部分に貢献していけたら、嬉うれしいです。

 では、読者の方々とは、またいつかの機会にお会いできることを願っています。

 ひょっとしたら、そこは社会課題のまさに現場であるかもしれません。楽しみにしています。


(http://bit.ly/1GlVNvi より転載)

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