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2015年11月29日

政府の「学校の先生に保育士になってもらえば良い!」が、絶対にうまくいかない理由

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 こんにちは、最近5歳の娘が「パパみたいな良い人を、どうやって見つけたの?」と妻に聞いていて、分かりやすく有頂天になった駒崎です。

 さて、本日NHKの日曜討論という番組に出して頂いたのですが、そこで「保育士不足」の話題が出ました。

 従来から、保育士不足の要因は、補助システムの不備で全産業平均値より月給にして10万円低い保育士給与であることを指摘し続けてきた(参照:保育士給与はなぜ低いか http://bit.ly/1PbAqn8僕が、それを説明すると、加藤一億大臣は以下のようにおっしゃいました。

 「小学校などの学校の先生に、保育士現場に入って頂くということも、政府は考えている」と。
(参照:「幼稚園・小学校教諭を保育士に活用」http://s.nikkei.com/1QNcEyk )

 えっ・・・。

 いや、それ、絶対に機能しませんから。簡単にご説明いたしましょう。

 保育士給与は全国平均で月20.7万円です(出典: http://bit.ly/1HwTytD
業界内では比較的賃金の高い、公立保育所の公務員保育士を含めてこれです。

 一方で、小学校の先生の給与は、約33万円/月です。誰が、給与6割になって小学校の先生から保育士にジョブチェンジするのでしょうか。

 それを突っ込むと、加藤大臣は「いや、退職した教師を・・・」と仰います。

 はい、与党関係者の皆さんには、1日だけで良いので、保育所で働いてもらえたらと思います。なんなら僕の経営する園で受け入れます。8時間以上、子どもを抱き、一緒に遊び、時に追いかけ回し。子どもが寝ている間も書き物をします。そう、保育士の仕事は、たいへんな重労働です。

 厚労省自身の調査でも、資格を持っていても「保育士としての就業を希望しない理由」として上位にあるのが、「自身の健康・体力への不安」です。(出典: http://bit.ly/1HwT9XW
東京都の統計でも、退職意向者の退職理由の2位に「仕事量が多い」とあります。(出典: http://bit.ly/1HwTytD(ちなみに、もちろんどちらも1位は「賃金が合わない・給与が安い」です)

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 それもあり、人手不足にもかかわらず、保育士で60歳以上で働いている人は1%にも満たないわけです。(出典:  http://bit.ly/1HwUDl3

 だから、学校教員、特に退職した教師が保育所で保育士として働く、というのは絵に描いた餅どころか、悪い妄想と言っても良いでしょう。

 政府は早く目を覚まして、保育士不足問題の本質である、保育士の給与の引き上げを行いましょう。
1万円上げるのに約340億円、全産業平均にまで引き上げるのに約3400億円です。(出典:http://bit.ly/1NiUjqs
軽減税率についてはすぐ4000億円用意しようとする政府が、できないわけはありません。

 でなければ、1年半後には保育士が7万人足りなくなります。(出典: http://bit.ly/1NiU7aA
そうすると保育所はつくれなくなり、待機児童ゼロは当然達成できません。

 するとどうなるか。2020年、オリンピックをやってる最中に、その陰で保育所がなく、お母さんが泣く泣く仕事を辞めている。そんな未来像を、我々は絶対に選択してはならないのです。

コメント(4)

平均年齢が高く年功序列給の温存されている公立保育所の全職員の平均所得は月40万です。朝日のソースは平均年齢を民間並みに限定した範囲にして算出するなどの操作が加えられていると思います。駒崎さんも仰るように保育士の重労働性から年功序列給は本来馴染みません。また法令で最低基準が設定されているため能力が高いから一人で多くの子どもをみれるというものでもありません。またここまでの官民格差を放置しているのは各自治体の首長の責任です年功序列給の廃止、官民格差是正して財源を民間保育士へ回すだけで教師並の給与は実現できます。まずは業界内の構造改革が先決です。

初めてコメントします。二児の母です。
最近ニュースで、無資格で保育業務できるように規制緩和するという記事を読みました。
大切な子供を預けている親のことも、誇りを持って働いている保育士さんのこともバカにしてる政策に
怒り心頭です。的外れすぎます。保育士の待遇改善が1番の有効策という駒崎さんの意見に強く共感しました!
働きながら子育てしている私達は、なかなか行動する時間が取れません、
でもこんな方向性で政策が進んで行くことを止めるために何かできないかと
ずっと考えています。署名活動、SNS拡散くらいしか思いつきませんが、、、
私達が政策に反対の声を上げるためにできることはあるのでしょうか?

昭和三十年代に保育園がたくさん出来ましたがほとんどが無資格者で園に勤めながら通信、夜間で資格を取ってましたね。保育に向いてるか向いてないかは、実際働いてみないと判りませんよ。資格、免許を持っているからという事じゃ専門家とは、言わないどころかマニュアル通りにしか保育、教育してないのも多いからね。医師、看護師も大学は、出たけれどで日本の大学が国試、資格予備校と揶揄されてきたが何ら改善が無い。内輪ウケが好きな国民性なので外部の声を受け付けないから誤った仕事をしていても不思議に思わないから組織犯罪が後を絶たない。昭和の頃のように働きながら高校、大学、専門学校に通って実学に教育の論点を置かないとね。大学進学率と並行して日本の景気は、悪くなっちゃったからね。若者もブルーカラー仕事をやりたがらないのも大学というレジャーランドの根本的に改革無くして景気、少子化対策も机上の空論で解決しません。職人が足りないからインフラ整備も追いつかないので手抜き工事が横行して大事故が起きて死傷者が多発するんだよ。学歴、学閥社会を解体して中学卒業したら働いて定時制、通信制で学べばいいんだよ。僕は、夜学で学んで店長してて夜学出て即戦力採用の新人で班長してた。十代後半が一番知識も労力も身につくんだよ。両親も我が子も子供の頃から働いてたから道理が自然に身についてた。保育は、全て税を使って出来るハズだからね。

駒崎さんの仰ることに深く共感し、コメントいたします。
公立保育所の職員は、正規雇用の保育士は公務員ですのでそこそこ高い給与をもらっていますが、私たち非正規雇用の保育士は、時給制です。1日8時間働き、早番、遅番もこなし、年度によってはクラス担任として一人で30人近くの子供を保育することもあります。クラス担任となれば、仕事内容は正規雇用の職員となんら変わりありません。それでも時給制なのです。週40時間、月に20日働いて、手取りで13万程度です。
低賃金で雇用できるため、役所は非正規雇用の保育士を正規雇用の保育士よりもかなり多く雇用しています。
0~1歳児は3対1、2歳児は6対1の割合で保育士が割り当てられますので、クラスに正規雇用の保育士が1人いて、残りは全員非正規雇用の保育士がクラスに配置されます。
小さな命を預かる、精神的にも肉体的にも重労働である保育の仕事は、単なる子守ではありません。専門的知識を要する専門職なのです。
私は43歳のシングルマザーで子供二人を育てていますが、これだけの重労働でこの低賃金では、本当に生活は苦しいです。あと何年体力が持つだろうかと不安にもなります。
せめて給与があと10万増え、保育士の待遇改善が実現すれば、今保育の仕事から離れている潜在保育士達も復帰する気持ちになると思います。
潜在保育士が保育士として働いてくれたら、待機児童問題はすぐに解消します。わざわざ新たに保育士資格のない人を保育士として雇用するリスクなんて必要ないんです。無資格の人の雇用を増やしたら保育事故を増やすことにもなりかねません。(実際にうちの保育園も、保育士資格のない人の雇用は4時間以内ならいいということになっています。でもやはり、有資格者に比べたら全く戦力になりません。「この保育士さんの対応はいったいどういうことだ!?」と保護者からのクレームも来ます。保護者からみたら有資格者かそうでないかは知りませんから。そのフォローも有資格者の負担になっています)
今現在働いている保育士の待遇改善が待機児童解消への最短距離だと思います。
早急な対応を切に願います。

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