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2016年4月 9日

舛添東京都知事が3分でできる、効果的な待機児童対策はこれだ!

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 舛添都知事が都有地に保育園ではなく、韓国学校を建てることが話題になっています。(写真は都庁HPより)
待機児童の4割が集中する東京都なので、韓国学校問題が反韓意識と相まって、騒動が大きくなっているのは大変残念なことです。

 しかし、韓国学校予定地の敷地内に保育所を作る作らないということよりも、50倍くらいインパクトがある問題があるのは、あまり知られていません。そしてそれゆえに、舛添都知事以下、東京都庁はそれを完全に放置していて、保育所開園をおおいに阻害しているのです。

 東京都における待機児童問題の隠れた要因。それが一見素晴らしい理念を持つ、「建築物バリアフリー条例」という規制なのです。

【建築物バリアフリー条例とは何か】

 建築物バリアフリー条例(正式名称:高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例)というのは、バリアフリー法という国の法律に上乗せして、東京都が13年前に定めた条例です。

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 バリアフリー法は、「不特定多数または主として高齢者、障害者等が利用する」建物を、特別特定建築物と定めて、段差をなくしたり車椅子でも通りやすくしたり、バリアフリーな環境にしようね、という法律です。

 公民館や図書館、デパートなど、2000平米以上の大きな施設で、多くの人たちが行く場所が、車椅子で行きづらかったら、障害のある方々や高齢者はとても困ってしまいます。誰もが暮らしやすい、移動しやすい社会をつくるためにも、必要な法律です。

 しかし、東京都はこの法律に基づいて条例をつくる際に、規制を上乗せしました。国が2000平米と定めているところを、それ以下の小さな施設でも対象にするよ、と。まあバリアフリーな施設は多い方が良いので、これもおそらくは善意に基づいていたのでしょう。

 ただ、そこに「保育所」も入れてしまったのです。どんな規模でも、保育所はバリアフリー条例を守れ、ということになったわけです。

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【バリアフリー条例によって、課せられたもの】

 バリアフリー条例を守るというのは、どういうことでしょうか。例えば、
・誰でもトイレをつけろ
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・オストメイト対応(人工肛門保持者)の水栓基部を設置しろ
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・廊下の幅は140センチ以上、玄関の幅は100センチ以上、エトセトラエトセトラ・・・

が必要になりました。保育所は基本的には子どもが使うもので、保育士さんたちも基本的には車椅子は使いません。人口肛門のユーザーでオストメイトが必要な子どもや保育士さんも、ほとんどいないでしょう。しかし、誰でもトイレ・オストメイト対応や廊下の幅を広くしなくてはいけなくなりました。

 これによって、通常の認可保育所をつくる際には、かなり余分なスペースを取った広い敷地と、完全なリフォームが必要になりました。

 一方で、なかなかそうしたフルスペックのバリアフリー施設をつくれる物件は東京ではありません。そこで、2015年、小規模認可保育所が登場しました。

【広がる小規模認可保育所と、立ちはだかるバリアフリー条例】

 小規模認可保育所は、それまで20人以上でなければ認可されなかった認可保育所に対して、定員数が6人から19人でも認可される、ミニ保育園です。少人数でよくなったので、3LDK等のマンションや一軒家を活用できます。

 マンションや100平米ほどの小さな物件でも活用できることが開園ハードルを下げ、制度ができた2015年初年度において、全国で1655箇所に激増しました。待機児童問題の鍵を握るポテンシャルを持っています。

 しかしあろうことか東京都は、「同じ保育所だから」という理由で、大規模な認可保育所と同様に、バリアフリー条例を小規模認可保育所にも適用してきたのです。

 繰り返して言いますが、国のバリアフリー法は「不特定多数または主として高齢者、障害者等の使う施設」に対してかかるものです。

 小規模認可保育所に通う園児は、毎日決まった子どもたちで、人数も6人〜19人です。不特定でもなく、多数でもなく、高齢者でもなく障害者でもありません。(障害児であることはありますが、それでも0〜2歳なので、一般的な車椅子は使いません)

 にも関わらず東京都は、バリアフリー条例を以前から保育所にはかけていたので、新しくできた小規模認可保育所にも自動的にかけ続けます。するとどうなるか。

【ウソみたいな本当の体験】

 某区において、僕たちフローレンスがマンションで小規模認可保育所をつくろうとした時に、某区の建築課からこうした指導を受けました。

建築課「だれでもトイレをつけてください。あと、オストメイト対応洗面所も。エントランスにあるスロープも、車椅子用の昇降機をつけてください。でないと、申請は通しません。

フローレンス「ちょっと待ってください。だれでもトイレって、12人の子ども達、そして保育士は車椅子ユーザーではないし、誰も、だれでもトイレもオストメイトも使わないのですが・・・。」

建築課「そういう事情は知りません。私たちはバリアフリー条例に基づいて、チェックするだけなので。」

保育課「僕たちは建築のことはよく分からないので、建築課とうまく調整してください。」

 納得がいかなかったので、区長にまで要望書を出し、数ヶ月の交渉を経て、ようやくバリアフリー条例の中にある例外条項を適用してもらいました。全く無意味かつ正当性もない規制に阻まれた実体験をしたわけです。そしてこの状況は、園をつくるごとに発生します。

 ちなみに東京都ではない、ある市においては「そもそも不特定多数が使う施設でもない小規模認可保育所に、バリアフリー法を適用する意味はないので、当然気にせず作ってください」という指導を頂きました。

【まとめ】

 この馬鹿げた状況を打開するために、舛添知事がやるべきことは簡単です。この記事を秘書にプリントアウトさせて、部下である担当課長に「バリアフリー条例を、小規模認可保育所みたいな特定少人数が利用する施設にまで当てはめないよう、通知を出せ」と言うだけです。正味3分あればできます。

(*あるいは国土交通省が東京都等の自治体に「バリアフリー法を小規模認可保育所にまであてはめるような過剰規制をやめろ」と通知を出すのでもOK)

 この過剰規制をやめればどうなるか。小規模認可保育所がつくりやすくなり、待機児童解消が加速します。わざわざ保育士1人あたりがみる子どもの数を増やしたり、そもそも低い子ども1人あたり面積基準そのものを削るような、悪い規制緩和をして保育の質を下げなくても済みます。

 しかも、かかる費用はゼロ。リフォーム屋さんは多少儲かりづらくなるかもしれませんが、無駄な税金が使われることもなくなり、都民はハッピーでしょう。

 舛添都知事、「保育園落ちた、東京死ね」と言われる前に、今すぐやりましょう。東京オリンピックではしゃいでいるその影で、保育園落ちて仕事を失う親たちが泣いている、そんな東京に、あなたはしたいですか?

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