駒崎 弘樹 公式ブログ 旧ブログ記事

NPO経営者の皆さん、我々の悲願の寄付税制改革は、今まさに葬られようとしている

全国の同志の皆さん、我々と市民社会の運命に関わるお知らせです。

鳩山政権下で開かれた「新しい公共」円卓会議。この場で提起された寄付税制改革が税制改正大綱に盛り込まれたのは御存じかと思います。
この法案が通れば、これまで存在はしていましたが嫌がらせのように使いづらく、4万あるNPOの1%にも満たない団体しか認定されない認定NPO制を大改革し、年3000円以上の寄付を100人からもらえれば認定される、という大変革命的な仕組みが実現します。
しかも税額控除率は50%。税金の半分が差し引かれることで、寄付者のメリットがほとんどなかった状態から、欧米並みの水準にまで高められるのです。
これによって、寄付後進国から寄付大国への飛翔が準備され、失われゆく様々な社会的絆やセーフティネットを、寄付と言うツールを駆使してNPOが準備してゆき、使命を果たしていける、という好循環が生み出されるはずでした。
しかしこの50年に一度の大改革は、静かに死を迎えようとしています。
この税制改革法案は、予算関連法案という括りになっています。予算は衆議院で可決されれば30日が経てば自動成立するので問題ありませんが、その関連法案というのは、自動成立システムを持っていません。参議院で否決されたら、衆議院で3分の2以上の賛成がなければ、成立しないのです。
今の民主党は衆議院で3分の2も持っていません。すなわち、予算関連法案は、野党の協力がなければ成立しないのです。そして野党は協力しようとしていません。
我々の悲願であり、日本のセーフティネットの未来が懸かった寄付税制改革は、こうした政争の巻き添えになり、崖から滑り降りようとしています。
だったら野党が協力すれば良いじゃないか。きっとそう思われると思います。
確かに野党が協力してくれれば、衆議院の3分の2に賛成が達し、通ります。
実際に、「公害防止特措法案」という公害対策に国のお金を使おう、という法案は与野党が協力して、この状況下でも成立しています。
このように、与野党が「このまま通さないと国民が困っちゃうよね。優先順位が高いよね」と判断したものは、先に話し合いが持たれ、妥協が図られていきます。
しかし、御存じの通りNPOとか寄付の話なんてマイナーで、政治の世界ではかなりどうでも良い話だと思われています。よって優先順位も上がっておらず、妥協も生まれず死を待つのみになっています。
4月の統一地方選で民主党が負け、政権交代が起こり自民党政権になったら寄付税制改革が実現するでしょうか。残念ながら、その気配はほとんど全くありません。そしてその次の民主党内閣の優先事項に上がるかどうかも、定かではありません。なぜなら「新しい公共」や寄付税制改革等の諸施策は、民主党が進めてきたというよりも、民主党内の鳩山前総理を始めとした一部の「もの好き」な方々が個人的ライフワークとして進めてきた側面が強いためです。いわば「最後のチャンス」的な要素が多分に濃かったわけです。
全国のNPO経営者の皆さん。ここが分かれ目です。10年後に振り返って、「今日の隆盛はあの時の改革が基盤になっている」と言えるか「あの時を逃したお陰で、日本の市民社会は結局育たなかった」となるかどうかの。
皆さんにできること。それは知り合いの(知り合いじゃなくても)与野党国会議員(参衆関係なく)に電話を掛けまくり、あるいはメールをしまくり「寄付税制改革は通してくれ」とお願いすることです。
はっきり言って、政争で潰して良いトピックではないのです。政治がダメな今、国民が寄付でお金を集め、果敢に地域の課題を解決していく回路を創っていかねば、我々は沈没していくだけなのです。それを熱く伝えましょう。政治家が10人動けば、運命は逆転します。
伏して乞います。今すぐに知り合いの国会議員に連絡を取って下さい。
そして与野党協力して、寄付税制改正法案を通してくれるよう、お願いして下さい。
国民的関心等ありませんが、50年後の日本社会の運命は、今ここで貴方が動くか否か、にかかっているといっても過言ではないのです。
追記
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