駒崎 弘樹 公式ブログ 事業ニュース

ふくしまインドアパーク運営終了のお知らせと今後の被災地支援事業について

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日頃より、ふくしまインドアパークをご支援いただきましてありがとうございます。
昨年12月で郡山園は3周年を迎えることができました。
開園以来、累計37,000人を超えるお子さんに遊び場として、そして家族と過ごす場としてご利用いただき、スタッフ一同心より感謝しております。
【ふくしまインドアパーク設立の思い】
ふくしまインドアパークは、2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する福島第一原発事故の影響で、「放射能が不安で外で遊べない」、「毎日家の中で、子どもの情緒が不安定になっている」という実情を、福島出身の妻の友人達から聞き、「何とかしなくちゃ」と思ったことがきっかけでした。
福島で事業をしたことは一度もありませんでしたが、「早く福島の子どもたちに、おもいっきり遊べる場所を創りたい」という思いで、西友さんの協力を得て、2011年12月8日に郡山園をザ・モール郡山の中にオープンできました。
設立資金は、ハタチ基金にご寄付を下さった皆さんの寄付、そしてグラクソ・スミス・クラインや東日本大震災復興支援財団さんやその他多くの団体・個人の方々が下さった助成金によって工面しました。本当にありがたかったです。
【みんなに支えられたパークの姿
地域のお子さんが安心して遊べ、保護者の方が集える場所、そしてパークでイベントを開催してくださる先生やボランティア、施設スタッフ等との交流を通して人と人とがつながる場として運営して参りました。地元の英語の先生、体操の先生、本屋さんやおもちゃ屋さんがボランティアでイベントを開催してくださり、毎日日替わりでイベントが開催される賑やかな園となりました。
こうした姿を見て、多くの企業や個人の方々から助成や寄付をいただき、遊具・玩具の拡充をすることができました。それだけでなく、全国からイベント開催のご支援や、バナナ、お水、書籍など子どもたちのよりよい成長につながるご支援もたくさんいただきました。また、日本国内外の様々な著名人が、子どもたちを勇気づけてくださいました。このように、被災地の子どもたちへの思いをたくさん感じることができる、愛があふれる公園でした。
【郡山市が4つの遊び場を造ることに】
これら地域住民の皆様とフローレンスの活動・思いが郡山市に伝わり、新しい屋内遊び場等整備事業が決定され、2015年度中に4ヶ所の施設が設置されることになりました。この市の動きにより、「地域のお子さんに安心して遊べる場所を提供する」という震災後の私達の思いは、結果として果たされることになりました。
よって2015年3月31日に郡山園は運営を終了させていただくことになりました。
皆様のご支援により運営を続けてこられたパークも、地元のお子さん、親御さんに親しまれる場所となり、終了することは大変残念ではあります。
実際、僕も帰省の度に娘と息子はパークで汗だくになるまで遊び、「パパの公園、だーいすき」と言ってくれていました。3年間という短い間でしたが、立ち上げ時の胃が痛くなる苦労、遊んでいる子ども達の弾けるような笑顔、色んな思い出が詰まっていて、感情的にはとても複雑です。
しかし被災自治体と住民の方々が、自ら社会インフラを担っていく姿こそあるべき姿です。いつまでも我々が住民サービスを行い、逆に自立を妨げることが良いこととは思えません。何が被災地にとってベストなのか、ということを考え尽くした結果であり、後悔はありません。
【年度末までは無料開放】
運営期間終了までは、これまでと変わらず、お子さんに安心して楽しく遊んでいただける施設として運営して参りますので、よろしくお願い申し上げます。なお、運営が終了する2015年3月31日までパークを無料開放させていただきます。
これまで様々なご支援をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
【今後のフローレンスの被災地支援について】
東日本大震災から3年9ヶ月が経過し、復興のフェーズや被災者のニーズは変化してきています。被災した東北の中心地である仙台市では、復興が進む中、多くの待機児童を抱えているという問題があります。保育園の不足で働けずにいる親御さんをサポートし、経済的な復興を継続的に下支えするため、フローレンスは仙台支社を開設し、現在東京23区を中心に展開している小規模保育園「おうち保育園」を開園していきます。(2015年4月、仙台市青葉区にて開園予定)
ちなみに嬉しいことに、パークリーダーである経験豊かな保育士さんが、仙台の新規園で園長さんを担います。パークのDNAは、生き続けるのです。
そして小規模保育によって仙台の待機児童問題を解決し、子育てと仕事の両立可能な地域社会を実現します。それが労働人口縮小に歯止めをかけ、被災地経済の生産性を向上させることになり、やがて復興へと繋がっていくと考えています。
これまでふくしまインドアパークへご支援をいただきまして、誠にありがとうございました。今後とも、被災地支援事業を継続して参りますので、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。
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