全国で初めて24時間365日のAI女性相談開設にこぎつけたこと
前職のフローレンスにいた頃、女性相談所(今の女性相談支援センター)の方々と話していて、絶句したことがあります。
最前線で女性の命に向き合っている相談員の方々の多くが、非正規雇用だったのです。
しかも、人数が足りない。高齢化も進んでいる。
厚労省の有識者会議の資料では、女性相談支援員の約4割が一人で相談業務を担う「一人相談員」。3年未満で離職する人が約3割。
殴られた翌日の女性が、性暴力の被害を初めて言葉にしようとする女性が、たどり着く窓口です。最初の一言をどう受け止めるかが、その人のその後を左右する仕事です。
なのに、開いているのは基本、平日の日中だけ。受けられる相談の数にも限りがある。
夜、夫が寝静まってからしかスマホを触れない人は、どうすればいいんだろう。
そう思いながら、当時の自分には何もできませんでした。
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それから数年経ちました。
このたび、奈良市の男女共同参画室さんと一緒に、女性問題相談を24時間365日LINEで受けられる窓口「わたしのミカタAI(あい)ちゃん」を立ち上げることができました。9月1日、本格稼働です。
自治体の男女共同参画・女性支援部門が所管する相談事業で、
・24時間365日の自由対話型生成AIによる相談
・AIによる高リスク相談の検知とアラート
・対話履歴を保持したままの相談員への引き継ぎ
この3つを一体で導入するのは、全国で初めてになります。
大事なのは、これが有人相談を置き換えるものではないということです。
奈良市さんの設計は、徹底して「入口を増やす」でした。
厚労省の補助事業として行われた調査では、困難を経験した女性のうち78.2%が、専門の相談機関に相談したことがないと答えています。理由の上位は「相談しても解決しないと思った」43.8%、「どこに相談してよいかわからなかった」28.3%。
窓口は、ある。でも、たどり着けていない。
だから、まずAIちゃんがいつでも話を聴く。本人もまだ整理できていない気持ちを、一緒に言葉にしていく。DVや自殺念慮などのリスクを検知したら担当者にアラートを上げ、ご本人の同意のもと、それまでのやりとりを持ったまま相談員におつなぎする。
「人に代わったら、最初から全部話し直し」をなくす。
そして相談員の方々には、専門的な判断や継続的な支援という、人にしかできない仕事に力を注いでもらう。
前職でやりたくてもできなかったことが、新しい仕事でできた。
素直に、嬉しいです。
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これを皮切りに、全国の女性相談支援センターや男女共同参画センターの女性相談・DV相談を、24時間365日にしていきたいと思っています。
夫に3時間正座させられて怒鳴られている人。
付き合っている相手のやり方にずっと違和感があるけれど、友達にも言えないでいる人。
そういう人が、深夜1時に「ちょっと聞いてほしいんですけど」と打てる場所を、全国につくりたい。
全国の女性相談に関わる皆さま。もしよかったら、我々と組みませんか。 自治体の規模や既存の相談体制に合わせて設計できます。お気軽にご連絡ください。
(なお奈良市のこの窓口、性別を問わずご利用いただけます。市内に在住・在勤・在学の方はぜひ。)