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【書評】こんなすごい人がいたとは:「セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱」


自らイノベーティブだと自負する僕も、彼の前ではそれを撤回せざるを得ない。


著者は一般社団法人ホワイトハンズの代表、坂爪真吾氏。
ホワイトハンズは、障がい者の「射精介護」を行う。
こう書くと、何かいかがわしい活動ではないだろうか、という先入観を持ってしまうのではないだろうか。しかし著者は逆に問う。一般の人々が享受できる普通の性の営みから、なぜ、障がい者だけが排除されて良いのだろうか、と。
言われてみれば、その通りである。そんなこと、思いもつかなかったのが恥ずかしい。
著者は極めてまじめに、性を通じて障がい者のQOLを上げていく活動を開始する。
ホワイトハンズのサービスも、性交渉を行うような「売春」ではもちろんなく、専門のスタッフが介護と同様着衣、手袋を着用の上行われる「性護」と呼ばれるケアである。
しかし、その立ち上げ期は、苦労の連続だ。
僕もNPOの立ち上げで度々吐くほど苦労したが、彼らのそれに比べたら、甘かったのではないかと思うほどだ。なぜなら、彼らの領域は警察などからすると「公序良俗に反する」領域。
著者らがどれだけ真面目に頑張ろうとも、一般的なイメージは最悪である。
それゆえNPO法人認証も新潟市から拒否られ、2ちゃんでは炎上する始末。それでも全くへこたれない。そんな著者の奮闘の数々は、まじめでありながらどこかユーモラスで、時々爆笑してしまいそうになる戦記なのである。
障がい者の性。誰をも幸せにしない性風俗産業の闇。こうしたテーマに興味のある方は、ぜひ読むべきだ。それどころか、これからNPOを立ち上げようとする人々も、読んで損はないと思う。この本を読んだら、「まあ彼らに比べたら、世の中理解してくれているよな」と、起業の際に自らを励ます材料になってくれるだろう。
全く誰からも顧みられない闇を、一筋の光で照らす。
NPOの本懐である。
恐れいりました。




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