駒崎 弘樹 公式ブログ 旧ブログ記事

コラムニストの勝谷誠彦さんに休眠口座問題を取り上げて頂きました


辛口コラムニスト勝谷誠彦さんが、休眠預金を益金計上している銀行をメッタ斬りにされていらっしゃるので、ご紹介。

<通貨とは文字通り「流通するため」に作られた。休眠口座をめぐるある話を>
 4時起床。
 ものごとが動く時というのは、いつもはそうは連絡しあっていない知り合いが、なぜか同時に同じ動きをするのである。
 田中康夫さんから別件でメールがあり、その中に笹川陽平日本財団会長への手紙の中で私について言及したとあった。
3人を結ぶキーワードは「休眠口座の活用」である。すると即座に会長の旧知のスタッフからそれについてこの旧ブログ記事で言及してくれないかという便りがあった。
 くそっと思った(笑)。会長が先日、産経新聞の『正論』にそのことを書かれたのはもちろん知っていて、どこで紹介しようかとタイミングをはかっていたのだ。私はご存じの通りの天の邪鬼なのでそういう時にすぐに「そうそう」と書くのが嫌なのである。
人々が忘れたころに「そういえば」と引用するのが、これはまたもういちど火をつけるということでは意味があると考えている。
 しかしそんなことを言っていられない。会長には、支那に行けない私をガードして連れていって下さった恩もある(笑)。
ここで書いているせいで詐欺師・日本赤十字ではなく日本財団に、復興への志を寄せて下さっているみなさんへの義も忘れてはいけない。
 休眠口座、こういうことです。
 <「休眠預金」を社会的に活用せよ>
 http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/3422
 オリジナルの記事もリンクしておく。
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120206/fnc12020603070000-n1.htm
 <長期間利用されず「休眠口座」と呼ばれる預金口座がある。関係者には公知の存在だが、最終的に口座の金が金融機関の収益として処理されていることまで知る人は少ない。
2002年まで認められていた仮名口座も含めると優に1000億円を超えると推察され、これこそが新たな“埋蔵金”である。
既に英国や韓国は基金や財団を設け、福祉事業支援などに幅広く活用しており、わが国も早急に受け皿を整備するよう求める。>
 ここまでは「そうかな」ですむ。しかしこれらのカネがいっときは私たちの税金で生きながらえ、そしていつも私が書いているように
ATMの前で携帯電話を使うなとわめいているようなどうしようもない連中の懐に入っているとはご存じでしたか。
 <5~10年間、取引がないと、ほとんどの銀行が休眠口座に切り替え、その旨を預金者に通知した上で、口座の金を収益として
会計処理している。返還を求めるには通帳や口座開設に使った印鑑、銀行支店名など煩雑な手続きが必要。
住所不明のケースや仮名口座のように通知先のない口座もあり、残された金は最終的に金融機関の収益となる。>
 ふざけるな、である。「平成の軍部」として暴走し、もうすぐ私たちの財布に消費税という名目で手を突っ込もうとしている
財務省がどこぞの大きな暴力団の本家のようにバックにいるからこんな無茶苦茶ができるのだ。引用が多くなるが笹川会長の
「正論」はまことに詳細にそのあたりを暴露しているので続けて引かせてもらう。たとえば他国ではどうなのか。
 <英国は一昨年、休眠口座基金を設立、15年間、取引のない口座の預金を集め、約530億円を非営利組織や社会起業家の活動に充てている。韓国は08年に休眠預金財団を立ち上げ、銀行や郵便局から請求権の消滅時効が完成した休眠預金の寄付を受け、約140億円を福祉事業に活用している。>
 当然である。「落ちているカネ」は公共のものとするべきであって、たまたま口座を持っていた金貸しの懐に入るなどということを許してはいけない。
 田中康夫さんはこのことを早くに国会で提議していた。
 <田中康夫「休眠口座を国の財産して活用すればいい」 菅直人首相「なるほど、検討させてもらう」>
 http://www.news30over.com/archives/2345047.html
 <菅直人首相は27日午後の衆院本会議で、金融機関で預金者の死亡などで長期の利用がない「休眠口座」について
「(国が)活用できる道がないか、内閣、民主党として、あるいは他党の皆さんにも検討いただきたい」と述べた。
新党日本の田中康夫代表への答弁。
 田中氏は「休眠口座の預貯金を金融機関から国家へと移譲する法改正を行い、それを元手に新しい公共施策を展開する
英国を見習うべきだ」と提案。これに対し首相は「そういう活用はあってもいい」としながらも「金融機関の財務への影響など多くの論点があり、慎重な検討が必要だ」とも述べた。>
 維新回天の波というものは無私の義士たちが(なぜそういう人たちがそうなれるのか今でも私にはわからない)互いに響きあいながらいつしかできていくものなのである。
 この「休眠口座に対する考え方」が田中さんなどからじわじわと広がっていた。しかし菅直人のような「私心」がありすぎる人はこうとしかこたえられなかったのである。
 そこに未曾有の国難がふりかかってきた。その中で日本財団がどんな活躍をしたかは、この旧ブログ記事を読んで下さっているあなたや、あなたはご存じであろう。ノブレスオブリジュとはこういうことであると、日本財団は示してくれたのだ。それを踏まえて言う笹川会長の声は胸に響く。
 <国の財政は昨年6月時点で借金が943兆円に上り、破綻寸前にある。財源が枯渇する中で福祉や住民サービスを維持・発展させるには新たな埋蔵金を発掘するとともに、「公」の仕事を「民」が少しでも肩代わりし、乏しい財源を効率的に使っていく必要がある。 
手前みそになるが、日本財団は東日本大震災で死者・行方不明者に対する見舞金や災害FM放送局18局の立ち上げ、障害者用仮設住宅の建設、被災地で活動する約700のNPO支援、学生ボランティアの派遣など幅広い事業に取り組んできた。法律に縛られる国や自治体の事業はどうしても時間がかかる。これに比べ民間には柔軟かつ迅速に対応できる利点がある。休眠預金を活用する受け皿が整備されれば、これに十分応えるだけの態勢が既に社会に育ってきている。>
 手前みそ、などとんでもない。あなたや、あなたにはわかりますね。日本財団が何をやってきたか。そのトップの言葉には自然と重みがある。
要するに「国をやっているあんたらはあかん。わしらにまかせえ」と言っているのである。会長、下品にしてすんまへん。しかし震災や原発事故からここまでの日本財団の獅子奮迅の動きはまさに「国家代理人」であった。腐れ国家ができないことをやってくれていた。
 その根底には曽野綾子さんが長年にわたってトップとして築いてきた精神がある。キリスト者である曽野さんと、まさに大和魂の塊といっていい
笹川さんの日本財団がお互いにそこで無私という点で響きあったことはまことに何かを示唆している。
 何ごとにも締切りがある。たとえば私は全日空よく使っているので系列のホテルなどを使える金券が送られてくる。株主としてのそういうものもある。
だが期限はだいたい3月の末だ。今年も何万円分もそれらがあるがたぶん使わないままだろう。
 そういうの、嫌いなんですね。機会があれば使うのだろうけど。
 そんなものなのである。何にでも「締切り」はあるのだ。口座だってそう。しばらく使わないものおそらくはずっと使わない。だから通知されて
返答のないものは公共のために流用すべきなのだ。
何度目かの「実は」だが、被災地であれだけの活動をしている日本財団の笹川会長の言葉だけに重みがある。
 <東日本大震災では2万人近い人が死亡・行方不明となった。銀行業界は被災者の照会窓口を設けて対応しているが、震災直前まで使われていた生活口座が将来、休眠口座に移行したのでは犠牲者も浮かばれない。>
 あの災禍でなくなった方々の営々と築いてきた財産を、金貸しがくすねるのか。そのことを想像して欲しい。許しがたい、と私は思う。
それを法的に許容している財務省という「軍部」の奴らの顔を想起せよ。そいつらがいま、あなたや、あなたの財布に手を突っ込もうと
しているのだ。いままで一度たりともこの国の財政を回復させることができなかった奴らが言っているのだ。
 参謀肩章を吊るしながら一度も勝てなかった阿呆どものせいで私たちは亡国の危機を味わった。同じことが起きているという自覚を
もっとリアルに持たなくてはいけない。
 休眠口座のことはまことにわかりやすい私たちと奴らの話である。くりかえす。東日本大震災で亡くなった方々の営々として積み上げてきたお金が、
なんで最低の金貸しの奴らの懐に入るんですか。人間として、大和民族の性根として、あかんやろ。
 笹川会長はかなり声を落として怒っている。しかしその怒りは底震えがするようであって、そのことを感じて欲しい。
私たちの同志である田中康夫さんが国会議員としてこの良民常民の怒りを少なくとも「あらわに」して欲しいと願う。

参考リンク
・復興資金1000億円を毎年調達する方法が、2分で分かる動画


・真の新しい公共を、税金を1円も使わずに実現する方法




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