駒崎 弘樹 公式ブログ 提言・解説・アイディア

【こ性暴法】研修は「動画を見せて終わり」ではダメになりました。9月2日、施行ガイドライン正式改訂

こども性暴力防止法(日本版DBS)、施行は12月25日。あと4ヶ月弱です。

9月2日、こども家庭庁が施行ガイドラインを「令和8年9月改訂」版に正式更新しました。対処規程、求人票、誓約書、取扱記録、情報管理規程などのひな型も同日一斉更新。

いろいろ変わっていますが、現場にとって一番大きいのはこれだと思います。

職員研修は「座学+演習」が必要と明記

多くの学校・保育園・塾が、「こども家庭庁の動画を職員に配って、見てもらえば研修完了」と考えていたと思います。それだけでは足りない、とはっきり書かれました。

求められているのは、

  • 同僚の不適切な行為を見かけたとき、どう動くか

  • 子どもから「先生にこんなことされた」と相談されたとき、どう受け止め、どこにつなぐか

こういう場面を、実際にシミュレーションする演習です。

正直、現場の負担は増えます。動画なら各自のスキマ時間で済んだものが、集まって、ロールプレイして、振り返る時間が必要になる。非常勤やアルバイトまで含めると、日程調整だけでも大変です。

でも、これは法律の本質に沿った要求だと思っています。

こ性暴法は「性犯罪歴のある人を雇わない」ための法律だと思われがちですが、それは半分です。もう半分は「現場の全員が、子どものSOSに気づいて、動ける状態にする」こと。前歴照会で防げるのは氷山の一角で、実際に子どもを守るのは、目の前の大人が「おかしい」と思ったときに黙らない文化です。

その文化は、動画を見ただけでは絶対に身につかない。「あなたならどうする?」を一度でも自分の口で言った経験があるかどうかで、いざという時の初動は変わります。演習が必須になったのは、そういう意味です。

あわせて「いつまでに」も確定

  • 原則、子どもに接する業務に就く前に受講

  • 施行時点ですでに現場にいる職員は、原則、施行前(12月24日まで)に受講

  • 12月24日までに採用・配置を決めていても、実際に子どもと接し始めるのが施行後なら、従事開始までに受講でOK

  • 認定事業者(塾・スポーツクラブ等)も同じ整理

つまり「今いる職員は、年内に演習込みの研修を全員終える」が基本線。年末は行事も多いので、10〜11月には日程を固めないと間に合わない事業者が出てきそうです。

なお、Q&Aは今朝時点ではまだ5月12日版のまま。文科省からの新たな通知も今回は確認できませんでした。動きがあればまた共有します。

担当の方は、まず「動画視聴で済ませる予定だった研修計画」を見直すところから。演習をどう組むか、が今年の宿題になりました。

 


一次資料(こども家庭庁)

 

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