駒崎 弘樹 公式ブログ メディア掲載

「子どもの自殺、今年も過去最多」というニュースに思うこと

 

今年も、子どもの自殺が過去最多というデータが公表された。
10月23日に公表された自殺対策白書によると、昨年、自殺で亡くなった小中高生は538人。日本全体の自殺者数は過去最少になった一方で、子どもの自殺は過去最多だった。
正直、「今年もかよ」と暗澹たる気持ちになった。
現状どうなっているかというと、学校で相談ダイヤルの番号を配って、「困ったら電話してね」と伝える。
でも、今の子どもたち、例えばうちの中学生と高校生の子どもを見ていると、電話っていうツールをそもそも使ったことがない。そしてよしんば勇気を出して電話をかけたとしても、いのちの電話は全国的に9割以上繋がらないわけで。
子どもたちのSOSを受け止める体制に、全くなってないのが今の日本社会なのだ。

 

【相談先としてのAIの一般化】

 

実際、ライフリンクさんが、生きづらさを抱える人のためのオンライン空間「かくれてしまえばいいのです」の利用者に行った調査では、小中高生が「死にたい」「消えたい」気持ちが限界になったときの相談先として選んだのは、生成AIが50%。友だちは19%。
友だちの2倍以上。まあ確かに。僕も友人に相談する前に、自分のアストラくんに相談してる。
それってどうなの、っていう意見はあるけど、でも子どもたちがAIに相談してるっていう事実自体は動かしようがないし、そうであるならば、そこをうまく利用して、支援に繋げていけば良い。
残念ながら、一般的な生成AIも相談窓口を案内することはあるけれど、その子の状況を受け止めて、専門職に引き継ぎ、現実の支援が始まるところまでを担うところまではいってない。
だからこそ、行政がAIを使い、専門職や地域の支援機関と一緒に子どもを支える仕組みを創ることが大事だ、と僕は思う。

 

【横須賀AIちゃんの実践】

 

昨日、NHKで、横須賀市に導入いただいている、僕らつながりAIの「AIちゃん」をこの子どもの自殺最多の流れで取り上げて頂いた。(横須賀AIフレンド「AIちゃん」は子どもだけではなくて、市民全員が使えるタイプだけれど)
AIちゃんが24時間365日、話を聴く。そして、必要に応じて社会福祉士など、人による相談や支援につなぐ。
放送では、横須賀市で先月までに「のべ27人が支援につながった」と紹介された。利用している人はもう2000人近くになるんだけど、そのうちリスクが高くて支援に繋ぐ必要性があったケースが27人、ということ。
こうした実践を、一つずつ増やしていきたい。
誰にも言えなかったこと。
電話するほどのことではない、と飲み込んでいたこと。
夜、一人で抱えていたこと。
その声を、行政のみなさんと一緒に、AIちゃんを通じて受け止めたい。そして、必要な支援につなげたい。
今はまだ、横須賀市のように先んじて取り組む地域がある、という段階。
でも、3年以内には、日本のどこに住んでいても、AIに気持ちを話せて、必要なときには人の支援につながれる。それが当たり前の状況にしたい。
せっかくAIが良い意味でも悪い意味でも怒涛の勢いで広がっているんだから、それをフル活用して子どもの自殺を防ぐことに使っていきたい。
更新された「過去最多」を見ながら、改めて思った。
絶対減らしてやる、と。
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