駒崎 弘樹 公式ブログ 旧ブログ記事

【業務連絡】障がいをお持ちのお子様のご入会につきまして


こんにちは、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎です。


この度はTwitter上において「NPO法人フローレンスが、発達障害児の病児保育をお断りしている」という書き込みがありましたので、フローレンスの姿勢をお話ししたいと思います。
フローレンスのビジョンは「子育てと仕事、そして自己実現の全てに、誰もが挑戦できるしなやかで躍動的な社会」です。病児保育はその社会の実現のために、病児を預かる仕組みが圧倒的に不足している現状を打破するために行なっている事業です。
ビジョンに「誰もが挑戦できる」とうたうように、母親だけでなく父親も、経済的に恵まれた方もそうでない方も、そして障がい児を持つ親御さんも持たない親御さんも、全ての人々が仕事と子育ての両立ができることを目指しております。
ですので、障がいをお持ちのお子様も、できうる限りお預かりしたい、という気持ちをスタッフ一同みんなが共有しております。
一方で、フローレンスは病児保育という通常の保育よりも格段にリスクの高いサービスを行なっております。通常の保育所では毎日子どもの様子を観察でき、子どもと信頼関係を徐々に構築でき、またその子の体調や微細な感情の変化等も追うことが可能です。しかし病児保育は、一度も会ったことのない子どもたちのもとに伺い、彼/彼女をかかりつけ医に搬送し、医師の許可を得てお子様のご自宅において長時間(8~10時間)熱を出したり感染症にかかったりしているお子様をマンツーマンでお預かりする、という難度の高い保育サービスです。そして子どもを預かる、ということは、命を預かる、ということです。私たちはこうした難度の高い状況の中、お子様の命を預かり、守るという責務を負っております。
そうした事業を行う中で「ひとりでも多くの子どもたちを預かってあげたい」という気持ちと、現場のリスクマネジメントのバランスの中で、常に悩み、心を砕いております。
ご入会をお断りせざるを得ないケースでは、そうした苦渋の思いがあることをご理解頂けたらと思います。
更に詳細に入ります。弊社の病児保育サービスは100%対応保証を基本としております。すなわち、当日朝8時までにご用命があった際には、必ず病児保育に伺う、というものです。(伺えなかった場合においては規定に基づき月会費を返金致します。)
私たちはその個別の障がいのお子様への病児保育に十分対応できる保育スタッフを擁している場合もあれば、対応するにはいまだ練度が足りない保育スタッフが大部分である場合もあります。そうした状況の中で、100%サービス保証を行うことができないケースについては、組織の実力を理由に入会して頂くことができない場合があるというのが、お断りせざるを得ない実情です。
とはいえ私たちもできるだけ多くのお子様たちをお預かりしたい、という思いがあるため、障がいをお持ちのお子様たちを一様にお断りしているわけではなく、提携小児科専門医への相談を通じ、対応しうる限りご入会をして頂いている、という状況です。例えば身体障がいをお持ちのお子様の中で、医療行為を必要とする場合は医師法で医師以外の人間による医療行為を禁じているためお預かりすることはできませんが、医療行為を伴わない保育であればでき得る限りの範囲でお預かりを致します。また例えば、発達障がいにおいても、お子様の個別の状態、年齢、かかりつけ医の診断書等の情報から総合的に判断して、100%保証が可能かどうか(提携病児保育施設に搬送が可能、もしくはほぼ全ての保育スタッフが対応可能か)について吟味し、入会審査を行なっております。
入会審査においてお受けできないということは、私たちの体制の不十分さに起因するものであり、決してお子様の問題ではありませんし、いわんや親御さんには何らの問題もありません。私も一児の親として、入会できなければ、やはり悲しい思いをしてしまうだろうと思いますし、そうしたお気持ちをせっかく入会して下さろうとした方に抱かせてしまうのは、慙愧の念にたえません。
と同時に、リスクの高い病児保育を行うにあたって、何らかの基準を設けて、どこかで一線を引かざるを得ない現実に、忸怩たる思いも抱えております。
将来的には発達障がいを含む全ての障がいに100%対応できるよう、保育者の練度を上げ、保育者数を伸ばしていくことで、全ての方々に対する病児保育サービスへと進化を遂げて参りたいと考えております。
この度Twitter上で頂いた貴重なご意見を糧に、よりサービス向上に向けて前進して参りたいと思います。
長文をお読み頂き、誠にありがとうございました。


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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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