駒崎 弘樹 公式ブログ ライフ・子育て

toggle伊藤社長から学んだもの

先日、大分版ダボス会議のカボスフォーラムにご招待頂いた。

 

地域創生というは、畢竟熱量の高いリーダーたちが、どれだけ行動を起こせるか、であると再確認できた。良い空間だった。

 

そこで、上場が決まったtoggle社の 伊藤 嘉盛 社長と一緒に登壇させてもらい、その後も一緒に別府タワーや地獄巡りをさせてもらった。

 

【仕事とは関係ないことにコミットすること】

 

連続起業家の伊藤社長は3社目でAI不動産テック企業を上場にまで持っていったわけだが、経営者をしながら、大学院博士課程で脳神経科学を研究されている。不動産テックと何の関係もない、脳神経科学を、だ。面食らった。MBAとかなら分かるが、短期的にはメリットのないテーマを勉強している。

 

「面白そうだったので」

 

と語る伊藤社長に、眩しさを感じた。

 

自分も連続起業しているスタートアップ経営者だが、興味を持ったテーマを大学院まで行って学ぼうとは思っていなかった。無意識のうちに、忙しい経営者が大学院で学ぶのなんて難しいと思っていた。しかも自分のビジネスに直接関係ないことを学ぶことに、後ろめたさすら感じていた。

 

しかし伊藤社長は、短期的な合理性だけでなく、「今興味持っているし、いつか何かにつながるかもしれない」という中長期合理性にしっかりとコミットしていて、それがただ、羨ましかった。

 

自分も将棋やったり短歌やったり料理したりしているけれど、体系的な学びっていうのも仕事以外の「マイプロジェクト」しても良いかもしれない、と認識が広がった。

 

【「恥をかいてないと、成長してないってことなので」】

 

「大学院で、自分が一番発表が下手で、恥ずかしい思いをするんですよね。でも、恥をかいていると、少なくとも自分は成長しているな、と。恥をかいてないってことは、自分の領域から出てないってことなので、成長してないってことなんで」

 

という伊藤社長の語りに唸った。

 

思えば、NPO経営者時代の自分はキャリア20年で政府の審議会の委員などもしていて、大御所っぽいポジションになってしまっていた。そうなると、あまり知らないこと、できないことで恥をかく機会も失っていた。それはつまりコンフォートゾーンにい続けていることであって、成長の伸び代は少なかった。

 

そういうこともあって、AIスタートアップという経験したことのない領域で起業して、エクイティ調達って何?参加型ってなんだろう。セカンダリって何ですか?と知らないことを恥ずかしさとともに学んでいて、そういう意味では40代後半にして絶賛成長中かもしれない。

 

伊藤社長の「恥かいてないと成長してない」という言葉は、もう一度ゼロから始めて恥かきながらなんとかもがいている自分を励ましてくれる、お守りのような言葉となった。

 

【偶然の出会いが学びをくれる】

 

カボスフォーラムは楽しそうだったし、大分で仕事しているから大分の人たちと仲良くなっておこう、くらいで参加をした。伊藤社長のことも知らなかったし、何気ない会話の中から、こんなにたくさんの学びを与えてくださるとも思っていなかった。偶然の出会いが、自分にとって指針や後押しになる学びをくれる。そういう意味で、メリットとか短期的な合理性を超えて、偶然に対して開かれているような自分であり続けることが大事なんだろうな、と改めて思った。

 

そして、偶然の煌めきを生み出す場を作ってくれたカボスフォーラム運営のみなさまに、心から感謝を。

HOMEブログトップへ